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親の「孫ブルー」から目をそらさない

「子や孫にしばられない生き方」という本を知っていますか?

2週間程前、ふとラジオをつけたら
「私は、孫が産まれても嬉しくなかった」
と高らかに話す女性の声が聞こえてきました。


「孫が産まれても私は"おばあちゃん"にはなりたくたい」
1字1句は覚えていないのですが、女性はそのような内容を何度も口にしました。


私は一瞬、体が硬直してしまいました。

"聞きたくない事"を聞いてしまった…。
それが本音でした。


それでも、どうしても女性が言った言葉が忘れられずに、著書を購入しました。



【苦しいけど…受け止める"おばあちゃん"の本音】

ラジオで話していたのは「子や孫にしばられない生き方」(産業編集センター)の著者、河村都さん。
河村さんは、元幼稚園教諭でNHKの「お母さんといっしょ」にレギュラー出演したり、子育てカウンセリングも行ってきた程、子供関連の仕事をしてきた女性だそうです。

そんな河村さんは、自身の娘が出産した時、
「嬉しいどころか不安だった」と著書で証しています。それは「自分が今まで積み上げてきた人生が"おばあちゃん"という人生に塗り替えられていく不安」だったそうです。

"「おばあちゃん」という役割に私の大切な残りの時間を奪われて、孫だけに人生を捧げるのはまっぴらごめん!"

小気味いい程きっぱりと、本にはそう書かれてありました。


もしも私が子供を産む前だったら、私は河村さんの言葉を「シニアになっても素敵な生き方をしている!」と手放しで賞賛しただろうと思います。

でも、今の私にはそれが出来ませんでした。

だって、自分の母に「おばあちゃん」の役割を押し付けているのは、他の誰でもなく私だから。


"「おばあちゃん」という役割に私の大切な残りの時間を奪われて、孫だけに人生を捧げるのはまっぴらごめん!"

その言葉に、ただひたすら罪悪感を抱き、本を持つ手がしばらく止まってしまいました。


でも、もしかするとこれが、多くの「おばあちゃん」の本音なのかもしれません…。
現に、河村さんは何人もの「おばあちゃん」から、孫が産まれて「孫ブルー」になった話しを聞き「これは自分だけの意見ではない!」と確信して、この本を出版したのだそうです。



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【母を"おばあちゃん"として縛っている私】

私の母は、思った事をあまり口に出さないタイプです。だから「これって本当はどう思っているんだろう」とよく分からなくなる事があります。嬉しいのか、嫌なのか判断に困る事があるのです。

そんな母は私が出産した時、明らかに喜んでいませんでした。
それどころか、いつになく分かりやすい程、困惑した表情を浮かべていました。

それは、私達夫婦が経済的に余裕が無い事からくる不安もあったのかもしれません。
それから、河村都さんのように「孫に人生を捧げる」事への不安を抱いていたのかもしれないな…と「子や孫にしばられない生き方」を読んで思うようになりました。

私は出産当時、困惑している母に気付いていても、
「孫と接していれば、そのうち可愛くなって、人生の喜びになっていくはず…」
と勝手に楽観視していました。

でも今にして思えば、それは私自身が決めた"自分に都合の良い解釈"だったのだと思います。

私が出産した時点で、私達夫婦は父母と同居していて、私は仕事をしていました。
という事は、
「娘が仕事の時は、自分が孫の面倒をみなければいけない」
「娘が子育てに追われるから、家事をフォローしなければいけない」

色んな思いが、母の頭をよぎったのではないかと思います。

そして、私も"きっと母はそうしてくれるだろう"と、勝手に決めつけて、未来を描いていたのです。

今にして思えばその時点で、母の人生は「塗り替え」が始まっていたのです。
自分の描く生き方とは違う「娘の意思による生き方」に時間を取られ始めていたのです。

そして案の定、子供が産まれて以来、母に何度も何度も甘えている私がいるのです。



【"母"が幸せになる事が自分の将来へつながる】

このままじゃ、いけないな…。
何かおかしいな…。

そう内心で思いながら、私は長いこと母の無償の愛に甘えてきました。

そんな情けない私に、カウンターパンチをくれたのが、この「子や孫にしばられない生き方」でした。






「孫が産まれたら同居したい」
亡き夫の夢を叶えるべく、娘の妊娠を機に二世帯住宅へと改築し、娘夫婦と同居を始めたという著者の河村都さん。その後、娘さんは双子を出産しました。

同居しても、自分の人生が「孫」中心にならないように、河村さんが真っ先にした事。それは「ルール作り」だったそうです。

①河村さんの方のリビングにはオモチャを置かない。
②夜20時以降は育児を手伝わない。
③食事は朝昼は別々、時間が合う夜だけ一緒に
など、全部で8個のルールを作って、娘夫婦に提案し実行しているそうです。

"言わなくても分かってくれる"と期待するのは大きな間違い。「思ったことは早めに口に出し、早めに問題解決する」事。
家族だからといって厚意に甘え過ぎたり、プライバシーに踏み込みすぎるのは御法度。


「家族」の中にいても、そんなはっきりとした考えを持って過ごしているから、河村さんは「自分の人生」を歩めているのだそうです。


河村さんのようにハッキリ意思表示をするのは、なかなか難しい面もありますが、このルール作りは結構参考になりそうです。
例えば母の要望を一つ聞き、それに合うようなルールを娘の心の中で決めるだけでも、少しずつ状態は変わっていくかもしれません。「母の負担になっている○○だけはやめよう」というように。


「私自身が明るく輝く太陽のような存在であることが、娘の将来に希望を与える」
そう思って、河村さんは"自分らしさ"を貫いて生きているのだそうです。


いつか私達も老います。
その時、母の姿を思い出して「あぁ、あんな素敵な年の取り方がしたいなぁ」と思えたら、これほど素敵な事はありません。

その為に、私が出来る事…。
微力だけど、少しだけでも"今"を変える努力をしよう。

そう思えた本でした。

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プロフィール

できれば親孝行

Author:できれば親孝行
将来「4人の高齢者」を夫婦2人で抱える可能性がある40代女性です。

介護の知識ゼロでしたが、少しでも今後の不安を解消したくて介護情報を調べ始めました。
まだ介護は始まっていませんが「今から知っておいた方がいい事」を中心にどんどん綴っていきたいと思います。

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