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「海が見える老人ホーム」を選んだ高齢者達

NHK「ドキュメント72時間」で、
「海が見える老人ホーム」と題して、とある老人ホームの72時間が放映されました。(平成29年7月28日)




紹介された老人ホームは神奈川県三浦半島にあり、460人が暮らす巨大施設。30年前に出来て以来、入居希望者が絶えない人気の老人ホームです。

番組では、この施設内を「72時間」撮影して、入居者がどんな風に過ごしているのか、またそこから垣間見えるそれぞれの入居者の人生に迫る…といった感じの内容でした。


正直に言うと私は、老人ホームってどこか「暗い」「寂しい」という印象を持っていました。
恐らくその根底には「行き場所が無くなった老人が、仕方なく誰かに入れられた場所」という勝手な思い込みがあったのかもしれません。

でも、この「72時間」を見て"老人ホーム"に対する思いが一変しました。


なぜか…と言うと、

この老人ホームに入居してくる高齢者たちは皆、
"自分で選んで"ここに入ってくるからです。

そして"自分で選んだ"からこそ"自分で楽しもう"としているのです。


その為、私が老人ホームに対して感じていた「寂しさ」よりも先に、皆に「強さ」が漂っているように見えるのです。
それは、もしかすると「自分で生きよう」とする決意の表れなのかもしれません。




【高齢者がいつまでも"必要とされる"幸せ】

紹介された老人ホームの内部には、健康な高齢者がそれぞれに暮らすマンションのような個室があります。
また病気になった人の為に、医療設備や病棟もあります。

共同スペースには200人は座れそうな大きな食堂があり、好きな時に好きな人と座って食事をとる事が出来ます。また趣味のための小さな個室や、ラジオ体操が出来る広めのホール、喫茶等々あらゆる所にゆとりがあるフリースペースが設けられています。


健康な人、体が弱い人、人と沢山接したい人、自分の趣味に没頭したい人…実に様々な高齢者が、好きな場所で思い思いの事をして毎日を過ごしています。
施設によっては"職員さんに与えられたレクリエーションをして過ごす"という場合もあると思うのですが、紹介された老人ホームは"与えられた何か"をするのでは無く、自分で選択した"やりたい事"をしていて、その自由な感じが何とも"自然で心地よさそう"なのです。


施設内にはスタッフはいるけれど決して前に出ず、必要な時に"ほんの少し"手を貸す程度
後は入居者たちがお互いに"手を貸し合う"から、皆それぞれが"誰かに必要とされる存在"なれる…そんな印象を受けました。


例えば、高齢で車イスのおばあちゃんは「毎日寂しい」と話します。そこに60代の男性が来て、おばあちゃんの話しを聞きながら車イスを押してあげます。
誰から言われたわけでもなく、2人は何となくそんな関係になったようです。
「仕方ないでしょ、寂しいって言うんだもん」
男性はそう話しながらも、満更でもない様子で馴れた手つきで車イスを押し始めます。

"自分を必要としてくれる人がいる…"

もしかしたら、その事によって男性も救われているのかもしれないな…と思いました。




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【第2、第3の人生を楽しめる老人ホーム】



ピアノに挑戦する80代の女性、近所に畑を借りて花や野菜を育てている女性、皆でウォーキングを楽しむグループ…。
入居者はそれぞれに、色々な楽しみを見付けています。


60代の時に夫婦で入居したという女性は、現在90代。もう何年も前に夫には先立たれてしまったそうです。
この女性は、毎日同じ時間に食堂に座っています。すると、いつもの男性がやってきて、2人でお喋りが始まります。まるでデートみたいな時間。この女性にとって、このひとときが何よりの楽しみのようです。


また、奥さんを亡くして、毎日レトルト食品ばかりを食べていたという男性は「このままではいけない!」と思って、この施設への入居を決めたそうです。
「老人ホームに入るなら、リゾート地のような環境がいい」と考え、オーシャンビューのこの老人ホームを選んだのだと言います。



こういう様子を観て、ふと思ったのです。

高齢者って、実は意外と制約が多いな…と。



もし私の身近で、夫を亡くしたおばあちゃんが、他の男性と毎日待ち合わせをしていたら…

たぶん、その家の娘や息子は、
「何やってるのよ、お母さん!いい年して!」
って、言うと思います。

もしも「ピアノに挑戦するおばあちゃん」がいたら、
「もういい年なんだから、そんなに頑張らなくていいじゃない!」と言うかもしれません。


一般社会の中では"高齢者"の本当の気持ちを知らない若者たちが、
「"いい年"だから」という言葉で、どれだけ高齢者の夢や幸せに制約を設けてきたのだろう。



この老人ホームの魅力はきっと、この"制約"が無いことなのかもしれません。
恋をする高齢者、挑戦する高齢者、オーシャンビューを夢見る高齢者…。

残りの人生をどう生きるのか。


高齢者本人の意思に任せて、
80才になっても90才になっても夢を見て、楽しんで、行動する。


自由にのびのびと…。


あぁ、いいなぁ。
私が高齢者になったら、こんな施設に入りたいな…とふと思いました。


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プロフィール

できれば親孝行

Author:できれば親孝行
将来「4人の高齢者」を夫婦2人で抱える可能性がある40代女性です。

介護の知識ゼロでしたが、少しでも今後の不安を解消したくて介護情報を調べ始めました。
まだ介護は始まっていませんが「今から知っておいた方がいい事」を中心にどんどん綴っていきたいと思います。

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